オタクは目指してなるのではなく、好きなものがあるからヲタクになる。-倍速で見る人の記事を読んで-

 それっぽいタイトルから始めました。にくすいです。皆さん、倍速で映画を見る人についての記事ご存じでしょうか?話題に乗るためや、オタクが楽しそうだからと倍速やスキップを駆使しながら映画やアニメを見る人がいるというこちらの記事です。

 

gendai.ismedia.jp

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 正直、この話題に関してはただの自分のお気持ち表明みたいになってしまう上に話が飛躍していく可能性が強いため、触れていくか否かちょっと迷ったところがありました。

 

 映画が好きだったことから始まってヲタクになった私からすると映画を倍速で見るという文字の並びを見た瞬間に怒り以外の感情がこみ上げてこなかったのが最初の気持ちです。映画が見たくて見たんじゃないのか!?作品に対する冒涜じゃないか!?倍速で見ることでそのシーンに対して制作者が感じてほしかった感情を失うことになるじゃないか!?といった具合でした。

 いざ、実際に記事に書いてあったのは、話題のためアイデンティティの確保のためといった作品の見方でした。衝撃でした。自分の好きを手に入れるために飢えていろいろな作品に噛り付き、見つけた好きを芯まで味わうという自分には考えられませんでした。

 

 話題のため、アイデンティティを確保するためにオタクを目指している若者。好きなものがあるからヲタクであるものからすれば、頼むからそんな苦しいことをしないで欲しいと思わざる終えません。無理をして好きになったものほど空しいものはないと思うから。そうして好きになられた作品が可哀そうだから。だから、言わせてください。「自分の中の好き嫌いの感情を大切にしてほしい」と。

 たくさんの作品を見ることについては、いいことだと私は思います。その中から好きな作品がわかれば、次の好きへと繋げていけるのだから。だけど、興味のわかなかった作品を追いかける必要がどこにあるのでしょうか。件の記事中では、コスパを望むために倍速やスキップをすると言っています。でもそれこそが本当の時間の無駄ではないでしょうか。自分の興味がわかないものに対して、倍速やスキップとはいえ20話以上、20作品以上見るということ自体が無駄に自分の時間を消費をしていることになります。その分を好きなことにあてた方が実に有意義だと思います。

 もっと酷いのは5分で作品解説の動画を見ることです。そればかりはもう本当に作品や制作者だけでなく、作品ファンまで傷つける行為なのだから。そこから得られるものがあるわけがないのに周りを傷つけることに何の意味があるのでしょう。気になるなら作品自体を見てください。気にならないなら最初から見なければいいのです。周りと話をするときは「興味がわかなかった」としてむしろ相手に何がよかったのかを話させるくらいにしてみて下さい。そうすれば、もしかしたら興味が湧くかもしれません。

 

 そして、もしも無理にオタクを目指している人がいるなら伝えさせてください。別の好きを探して欲しいと。今は楽器やお絵描き映像制作などなどの好きなものを探してもインターネットという広い海にいる巨大魚たちの上手さを見て自信を簡単になくすことができる時代だと思います。でも、そんな巨大魚たちだってもとは小さな稚魚だったのです。積み重ねていくことできっと楽しい気持ちが湧いてくるし、上達もできます。だから、あきらめないで欲しい。私だってすぐに自信を無くします。それでも、信じて進んだものは、少なくとも、身内に喜ばれるくらいの能力は付けられたから。

 

 好きを探す旅を続けること、そして見つけた好きを増やしていくこと。そうすればきっと人生の楽しい時間は増えて、いろんなジャンルのヲタクになれるはずだから。

 

 くさい言葉だなんていわないで欲しい。伝えたい気持ちだったのだから。

 

 それではまた。

 

 

 

 

 ー追記ー

  新しい記事を見てもう一つ言いたいことができてしまいました。

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 この記事で語られているようにもし回り道をせずに面白いとされている作品のみをただ見るだけで、終わりにすることは個性を手に入れるという行為とは正反対ではないでしょうか?面白いとされている作品だけ見て終わりにするのであれば、それは結局のところみんなと同じということ。普通でしかありません。もしも、個性が欲しいならせめてその見た作品のなかからより掘り下げて何かを見るなり、知るなりするか。面白い作品リスト以外から見る必要があると思います。なにも無理にそうして欲しいわけではありません。とにかく、興味を持って好きなことを探して欲しい。それこそが個性につながるはずです。オタクを目指しているならそれこそがヲタクへの道になると思います。