シング・ストリート 未来へのうた レビュー

記念すべき最初のレビューを書く作品は「シング・ストリート 未来へのうた」です。私としては、今最も皆さんに見て欲しいと思う作品だから最初のレビューに選ばせていただきました。

 

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この作品をどうしてそこまでお勧めしたいのか、それは誰もが望む

美しい青春のひと時

を描いた作品だからです!

 ジャンルで言えばミュージカルや青春ドラマになるこの作品は、主人公が家庭の事情で環境の悪い転校することになるが、ロックによって希望を見出していくといった内容です。青春ドラマといえばどうしても主人公とヒロインの関係を中心として話が回り、2人の恋模様を描くだけのものになりがちなものです。しかし、この作品にはもう一つの魅力ロックがあります。ロックによってこの物語のキャラクターたちの心情が彩られていくだけでなく、ロックを通じて主人公たちが少しづつ成長していくのです。ヒロインを振り向かせるだけに始めたバンドにどんどん本気になっていく姿、そしてヒロインとの関係性が縮まっていくことで主人公の夢が形となっていくのです。

 主人公が夢に向かっていくひたむきさは、今学生生活を送っている人たちを勇気づけることでしょう。それだけではなく、何かを目指す人、何かを目指していた人には必ず心に響くものがあります。

 この作品の時代設定は1985年なのですが、主人公たちの演奏するオリジナル曲も80年代のロックの雰囲気がしていてとても素晴らしいです。また、主人公たちが演奏する曲以外にもその当時のロックが流れていてデュラン・デュランザ・ジャムなどの有名なアーティスト達が作品を彩ります。

 

 パンフレットのセンスに脱帽

 この作品が80年代のロックをテーマにしてることもあり、この映画のパンフレットはレコード風になっているのです!パンフレットってユニークなものが多いですが、流石にビックリしてしまいました。まるで、主人公たちのバンドのレコードなんじゃないかと思ってしまうほどです。ちゃんと本編にもレコードの出番はありますからね?

 

 

ここから下はネタバレありでレビューしていきます。ネタバレがだめな人は見ないでください。

 

 

 

 この映画での個人的な見どころとしてあげたいのは、兄の存在です。彼は主人公にロックを通じて人生にとって大事なことをいくつも教えてくれます。それは本編中でも語られるように自らが経験して学んできたことであり、彼がたくさんの苦労をしてきた証拠でもあります。そんな兄と主人公は物語の途中で喧嘩をしてしまいますが、その仲直りの仕方が素晴らしいのです。普通の映画であれば喧嘩をした後に仲直りをする場合は、お互いに謝罪をして「これからも仲良くしようぜ」みたいになりますよね。しかし、この二人はそれとない会話と簡単な謝罪で元の仲に戻ります。実に兄弟らしい仲直りの仕方なのではないかと思いました。また、最後にこっそりとイギリスに向かう主人公とヒロインを兄は笑顔で送り出します。この映画で本当の意味で主人公のことを一番考えてくれていた人物は兄だったのではないでしょうかと私は思いました。